とうほく旅情詩


 ムーンライト日本半周 2007.8.11〜8.18

3日目 8月13日(月) (青森→東京→大阪→神戸→松山→岡山→門司港→下関→博多→京都→東京→仙台→青森)

 「神戸は有名な温泉とかある?」 「んー、有馬温泉があるけど。」
 朝、友人との会話。そういえば有馬温泉は兵庫県でした。
 「有馬って近いの?」 「─市街地からは1時間ちょっとやね、電車で。行ってみる?」
今回の旅行の目的の一つには、"温泉"もあります。これは良い機会ということで、今日は有馬温泉に行く事になりました。

と言っても今はまだ朝。有馬温泉は午後に行くとして、午前中はどうしようかと思いましたが、友人宅からは甲子園がそれなりに近いという事なので、甲子園に行ってみる事にしました。
 阪神電車で数駅。甲子園口にて下車すると、駅の目の前にはテレビでよく見る阪神甲子園球場。勿論現在は「第89回全国高等学校野球選手権大会」の真っ最中で、甲子園球場には 全国から沢山の人々が集まっているようです。今の時間だと…丁度京都外大西 対 常総学院の試合中。外野席は無料と言う事なので、そちらに回ってみます。
 外野席への階段を昇っていくと…広い!スタンドは人で埋め尽くされ、一塁側から、三塁側から、次々と歓声が上がっています。試合は丁度延長戦に入る所のようです。

 試合は延長13回、得点の取り合いの末京都が勝ちました。それを見届け、甲子園を後にします。さて、続いては…。
神戸と言えばやはり此処でしょう、ハーバーランドMOSAICにやって来ました。此処は、数々のお店が集結し、食事にショッピングにシネマに...丸一日遊んでいられそうな所です。 とは言っても丸一日遊んでいるわけにもいかないので、とりあえず雰囲気だけ楽しみ、三宮・元町まで歩いてみる事にします。

 古くから港町として栄え、国際港湾都市として発達する神戸市。異国文化と共に発展を遂げてきたこの街は、モダンな中にもどこかノスタルジックな感覚があります。 その象徴とも言えるでしょう、この街には中華街もあります。横浜や長崎のそれと比べれば、規模は大きくないようですが。

   南京町と呼ばれる其処は繁華街の中にあり、まさに横浜中華街の一区画を切り取ったようなイメージですが、賑わいは横浜に劣りません。群衆を掻い潜って小龍包などを買い、 軽い昼食にします。さて、昼も過ぎた事ですし、そろそろ有馬温泉へ向かいましょうか…。

 神戸高速鉄道元町駅から電車に乗り込みます。暫くすると谷上駅で乗り換え、列車は神戸電鉄有馬線を進みます。列車が北へ向かうに従って車窓からはビル群が消え、代わりに緑が増えてきました。 神戸は日本列島の南側に位置するため、北へ向かえば内陸、つまり山になるわけですね。地元青森とは正反対です。

 揺られる事約30分、列車は有馬口。有馬温泉方面はここで乗換えとなります。接続で待っていたのは、赤とクリームの色合いがどこか昭和チックな雰囲気を醸し出す1100系。 静寂な山間を縫うように延びる線路に乗って列車は進みます。
 着いた先は湯煙溢れる温泉街。観光シーズンということで、沢山の観光客で賑わっています。ビルの立ち並ぶ三宮・元町周辺とは全く違った神戸の顔。山間のこの街も 神戸市内であるというから驚きです。沖ノ鳥島が東京都であるという事くらい驚きです。

 太閤秀吉に愛され、道後・白浜と共に日本三大古泉に数えられる有馬と言えば、含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉の茶色い湯、金泉が有名です。周辺の散策よりもまず温泉!という我々は この金泉をひく日帰り名物湯、市営の「金の湯」に足を運びます。有馬温泉から徒歩5分少々、辿り着いたそこには既に行列ができていました。どうやら待ち時間もあるようです。
待っていてもいいのですが、とりあえず他をあたってみることにしました。聞いた話では、更に歩けば「銀の湯」というのがあるようです。其処へ向かってみます。

 温泉街の奥へ更に5分程。勾配も徐々にきつくなり、人気も減ってきたあたりに現れた「銀の湯」。着きました。結構遠かったな…。こちらは待ち時間もなくすぐに入る事ができました。 清潔な浴場内、透明な湯が浴槽から溢れています。「金の湯」の金泉とは異なる炭酸泉・ラジウム泉の銀泉。つまりは放射能泉です。単純放射能泉ではありますが、他と比較すればラジウム含有量が多いようです。 北東北には放射能泉は少ないので、これは嬉しいです。温泉に入れば疲れも吹っ飛んでしまうから不思議なものです。日本人に生まれて良かったです。(笑)

 温泉からあがった所で目に留まったのが「有馬サイダー」。地酒ならぬ地サイダーというやつです。サイダーといえば元々外国から来たものですが、日本初のサイダーはこの有馬の地の二酸化炭素冷鉱泉(炭酸泉) を使って作られたようです。毒水と恐れられる程遊離二酸化炭素の多い有馬の湯を使ったサイダーは明治から大正時代にかけて製造され、現在売られているものはその復刻版だそうです。当時のものを忠実に再現して 作られているようで、炭酸がきつめでした。

 勾配を下って「金の湯」に戻ってくると、先刻の列は消えて待ち時間もなくなっているようでした。もしかすると、少し待っていればすぐ入れたのかも…。そんな気がしないわけでもありませんが、「銀の湯」も十分 満足だったのでヨシ、と。
「金の湯」のすぐ傍に、金泉を使った足湯を発見。少し足を入れてみることにしました。…ッ!!思った以上にこれは熱いです。45℃は軽く超えています。ほんの数分間足を入れていただけで、足が真っ赤になりました。

 さて、温泉も入ったし、そろそろ日も暮れる頃なので戻る事にしましょう。とりあえず今から、ムーンライト松山に乗車するまでは特に予定がありません。ムーンライト松山は一応大阪駅から指定をとってありますが、三ノ宮駅から乗車する事にします。 三ノ宮駅発は日付変わってからの0:39。それまで友人宅で休憩させてもらうことにしました。

 住宅街はすっかり閑静になってしまった22:00過ぎ。友人の親御さんが、三ノ宮駅まで送ってくれる序でに、ある場所に連れて行ってくださると言います。さて、"ある場所"とは一体…? 車に乗せてもらい、阪神高速を走ります。

 三宮に近付き、ポートタワーやMOSAICのライトアップが映える神戸港の景色が目に映ります。黒い水面に多くの色がこれ見よがしと映る風景はとても印象的。そんな景色を後に、車は北、山側へ。
 「着いた。」 山をのぼっていく事十数分、そこは山中の駐車場。横のほうに、上へと続く階段が一つあるのみ。夜、山の上、上へ続く階段…。

 階段を昇ると、パノラマに広がる神戸の街。先程通ってきた阪神高速が、阪神電鉄が東西に走り、その奥にはハーバーランドの夜景。
所々暗いところがあるやろ?震災が起きる前は暗いところなんてなくて、もっと夜景が綺麗だったんやで…と、友人。
神戸の街を、この眼に焼き付けました。

 ムーンライト松山の発車時刻が近付き、2日間お世話になった友人ともそろそろお別れです。三ノ宮駅まで車に乗せていただき、関西の2日間を振り返りながら共にムーンライト松山の入線を待ちます。 持つべきは友人だな、と思った瞬間。

 0:38、時刻通りにホームに姿を現したムーンライト松山。列車に乗り込み、デッキから手を振ります。
「また、来るから。」 列車は定刻0:39に三ノ宮駅を後にしました。

さて、初乗車となるムーンライト松山。減光のため車内は薄暗く、陰気な感じがします。多くの乗客はまだ起きているようです。簡リクシートの使い難さに少々手間取りましたが、それでもなんとか周囲に 迷惑をかけずに、姫路を過ぎる前には寝ることができました。

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